【クロストーク】
美術職の3人にインタビューしました。
【クロストーク】
美術職の3人にインタビューしました。

永松紫杏
2025年、新卒入社。

由本真穂
2022年、アルバイトから入社。
グラフィックデザインセクション所属。

宮原大輔
2022年、中途入社。
セットデザインセクション所属。
クロストークの内容
セット、オンエアグラフィック、CG、ビジュアルという4つのデザインセクションから構成される美術部。それぞれ異なる得意分野を活かしながら、さまざまな分野に挑戦する若手3名にインタビュー。個人で発信する自由度の高い時代に、たくさんの人との関わりを大切に、ひとつのコンテンツをカタチにする魅力も必見です。
専門分野を幅広く活かせる、
テレビ業界との出会い
――MBS企画の美術部に入社したきっかけを教えてください。

由本
デザインの専門学校に3年間通ったのち、その学校の教授補助を2年ほど勤めていました。他にも何か面白い仕事をしたいと思っていた時に、MBS企画のアルバイト求人を見つけたんです。大阪出身で、お笑いもドラマもバラエティも、とにかくテレビを観る時間が一番好きだったので、いつかテレビドラマの小道具や番組ロゴを作ってみたくて。2年弱アルバイトをしていましたが、もっと頑張りたいと思い社員になりました。
学生時代に舞台芸術を専攻していて、もともとは舞台やコンサート関連の仕事に就きたいと思っていました。しかし学校の先生から当社の美術職の求人を紹介していただき、全く考えてこなかったテレビ番組制作に興味を持ったんです。美術職の現場を見学させてもらうと、テレビのセットデザインなど自分が学んでいた舞台芸術と共通する部分があると知り、入社しました。

宮原

永松
私は新卒で入社しました。小さい頃から絵を描くことやものづくりが得意で、バラエティ番組やお笑いも大好きでした。テレビ番組を作る側を経験したいと思っていたところ、ちょうど当社の新卒募集があったので応募しました。実家は関西ではないのですが、何ヶ月か遅れて放送される関西のお笑い番組を観ることもよくあり、関西拠点だということにも惹かれて。面接時にも、どれだけテレビが好きか熱心に伝えました。
――数ある制作会社の中で、MBS企画と他の会社の違いは感じましたか?

宮原
当社の美術局には4つのセクションがあって、美術職にまつわる全てのセクションを学べるというところが他の会社との違いでした。いろんな視点から美術を学びたいと思っていたので、当社を選びました。
私も同じです。社員になろうと考えた大きな決め手は、いろんなことができるということでした。独学で日本語の言語学を勉強していたこともあり、最初は日本語の曖昧なニュアンスを視覚的に表現できるテロップ制作だけでも魅力的だと思っていました。しかし、アルバイト時代に番組収録の現場に行って他のセクションにも興味が湧いたんです。この会社の美術職ならもっとできることの幅を広げられそうだと思いました。

由本

永松
私も、やっぱりいろんな分野を学べるところが一番の魅力でした。一言で「美術職」と言ってもテロップ制作もあればセットデザインもあって、一通り経験したうえで自分に向いていることを探していけるのが良かったです。

手を動かすだけじゃない。美術職の醍醐味
――実際に働いてみて、想像していた美術職のイメージとのギャップはありましたか?

由本
関わる人が想像以上に多いです。社内の制作部はもちろん、協力会社の方などと一緒にお仕事する中で、いろんな視点が学べます。部屋にこもってテロップを作るのではなく、コミュニケーションを取りながらみんなの想いをカタチにしていくのが番組制作なんだな、と実感しています。
セットデザインのセクション内でも、デザイン以外にもやらなければいけないことがたくさんあると感じました。番組収録現場に行って作業をしたり、予算によってセットに使える技術も変わるので、そういった背景を考えながらデザインを考える必要があることも学びました。

宮原

永松
入社するまでは個人作業が多いと想像していました。実際には、打ち合わせに出席したり、協力会社と連絡をとったり、手を動かすだけじゃない業務が多いことが意外でした。
――さまざまな人とコミュニケーションをとりながらひとつのものを創り上げていく中で、特に気をつけていることはありますか?

由本
限られた時間の中で、相手に分かりやすく情報共有することです。時間の制約がある中で、番組のスケジュールに沿って、協力しながら制作するんですよね。その中で、伝え方一つで全然違うものができてしまうこともあって。誰かに何かをお願いするときは、どうすれば想定通りのことが伝わるか想定して伝えることを大切にしています。そこまで手を抜かずにこだわるからこそ良い番組ができるんです。
1人で抱え込まずに、すぐに相談するようにしています。実際、社内に「協力しながらやっていこう!」という雰囲気があるからこそ、それができていると感じます。

宮原

永松
わからないことをそのままにしないこと。例えば会議中に分からない用語があればすぐにメモをして、必ず質問するようにしています。すごくフランクな方が多くて、分からないことがあれば気兼ねなく聞けます。
――これまでで一番やりがいを感じた仕事はありますか?

由本
昨年、「オールザッツ漫才」という年末の深夜から朝まで放送されるお笑い特番のタイトルロゴ等のデザインをさせてもらったことです。入社した時からこの番組に携わるのが目標だったんです!その分、本当に大変でした。デザインって正解がないので、どこまで突き詰めたらいいか、なかなか判断しづらいんですよね。ディレクターさんが何を求めているのか、自分の色を出しすぎていないか……分からないことだらけで。先輩に厳しいことも言っていただきながら、何とか自分の作ったデザインにOKをもらった時は、この上ない達成感を得られました。結果、ロゴだけでなくほとんどのグラフィックデザインを担当できました。自分の作ったタイトルが画面に出た時は本当に嬉しかったです。
レギュラー番組のセットをデザインさせてもらったことです。それまでは一度しか使わないデザインを担当することが多かったのですが、レギュラーでずっと使い続けるものを作るというのは、初めてのことだったので嬉しかったです。その分、プロデューサーさんの要望を取り入れつつ、出演者の方にも気に入ってもらえるようなものを作ろう!と意気込みました。

宮原

永松
入社して間もないので、大きなやりがいを感じるのはこれからだと思います。ただ、自分が少しでも携わったものを実際に出演者の方が使っていたりすると「役に立っているな」と感じられます。
――一方、一番大変だと感じるのはどんな
仕事ですか?

由本
私は生放送番組でのテロップ制作が一番大変でした。放送ギリギリまで修正依頼が来ることもあるんです。いつ来るかも分からないし、何分後に必要かも分からないし、来ないかもしれない。そんな状況で待機する緊張感があります。「10分後に必要な素材を作ってほしい」と言われた時は絶対にできないと思ったのですが、ディレクターさんと電話でやりとりしながら何とかギリギリ間に合わせることができました。かなり鍛えられたので、今では余裕をもって対応できるようになりました。
この番組!というよりは、複数の番組を同時に担当するのはかなり頭を使います。番組によってセットの仕様も発生する作業もさまざまなので、それぞれに合わせて頭を切り替える必要がある。もちろん、違うことを同時進行するからこそ活かせることもたくさんあります。

宮原

永松
まさに今、とある番組のセットの図面を描いているのですが、かなり高いハードルに直面しています。学生時代の専攻がグラフィックデザインだったので平面でのデザインに慣れていたのですが、実際に奥行きのあるセットの図面を書くというのは初めてで。例えば、複数の出演者さんが映った際の背景が同じ雰囲気にならないように気をつけたり、カメラさんや照明さんの導線も考えたり、デザインそのもの以外のことまで想定する必要があるんです。こんなにも考えることが多いのか!とびっくりしました。
大事なのは、強いこだわりと
好奇心
――仕事をする上で大切にしていきたいことを教えてください。

由本
今の時代、誰でも簡単にSNSで発信できるし、デザインもある程度できるようになってきていますよね。でも、番組制作の現場には「絶対成功させたい」という強い想いを持っている人がたくさんいます。そんな人たちと仕事をしていると、私も頑張ろう!と思えるんです。どれだけの想いとこだわりを持つか、その深さが大切だと最近つくづく感じています。
自分の作品を嫌いにならないこと。自分が嫌だなと思ったものを表に出しても、きっと他の人にも好きになってもらえないので、自分が本当に良いと思うものにこだわることが大切だと思っています。

宮原

永松
好奇心を持ち続けること。やってみたいことがあれば、大変でも楽しく乗り越えられると思います。
――それらを踏まえて、今後の目標はありますか?

由本
誰もが知っているような番組のデザインを一通り任せてもらえるようになること。一部を引き継いで担当している段階なので、最初から最後まで一つの番組を創り上げることをやってみたいです。
セットデザインの技術をさらに高めるのはもちろん、他のセクションも経験して知識を増やしていきたいと思っています。そのうえで自ら提案する機会も増やしていきたいです。

宮原

永松
私はまだ研修中で、各セクションを回っているところです。今後どのセクションに配属されるかまだ分からないですが、いろんな経験をしながら自分が向いているところを探していきたいなと思います。
――最後に、美術の仕事に興味がある求職者の方へメッセージをお願いします。

由本
専門的だけど幅広く、テレビに限らずイベントなどさまざまなクリエイティブにも関われる環境はそうないと思います。いろんな経験をすることに魅力を感じる方には、ぜひ当社の美術職をおすすめしたいです!
なんでも挑戦してみてください!私もテレビとは離れたところにいたので、今自分が持っているスキルが意外なところで活かせるかもしれません。

宮原

永松
初心者でも皆さんすごく優しく教えてくださるので、怖くないですよ!(笑)